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ウマおん! ~ユメヲカケル!編~

寄稿者
更新日
2021/8/3
投稿日
2021/8/3
またあいましたね
 
きたちゃんぶらっくの音楽担当(?) かりんと です。
前回は導入編としてウマ娘の音楽全般について語りましたが、今回からは一曲に絞ってじっくりと解説や個人的な感想を入れていくシリーズにしたいと思っています。
今回は拡大版でめちゃくちゃ長い記事になっています。
なるべーく簡単にまとめる努力をしますのでお気に入りのコーヒーでも飲んでリラックスしながら読んでいってください。
あといろいろ間違えてたらスマン!
 
そんなウマおん!記念すべき一曲目は

ユメヲカケル!

 
です
「ウマ娘プリティーダービー」より引用
「ウマ娘プリティーダービー」より引用
 

う~~Fight!!!!

 

Section1 ~概要~


ユメヲカケル!は「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」のOPテーマとして書かれた曲で作編曲は東大路憲太氏、作詞はマイクスギヤマ氏が担当しています。
東大路氏はかなーり新進気鋭の作編曲家さんでここ三年で出てきた感があります。若くして田中公平氏(サクラ大戦とかワンピースのOP曲とか作った方)の編曲に抜擢されるなど非常にこれからが楽しみな作編曲家さんだと思いますので、皆さん名前を覚えて帰っていただけたらと思います。
作詞家さんについては詳しくないため調べてきましたが、めちゃくちゃすごい人でした。主に戦隊モノやドラえもんの作詞を担当されているようです。
曲のコンセプトは「夢にむかって駆け抜ける」ような内容で非常に歌詞も明るいですね。
歌唱はアニメ内でのチーム「スピカ」のメンバー「スペシャルウィーク (和氣あず未)」「 サイレンススズカ (高野麻里佳)」「 トウカイテイオー (Machico)」「 ウオッカ (大橋彩香)」「 ダイワスカーレット (木村千咲)」, 「ゴールドシップ (上田瞳)」によるものでかなり大所帯なメンバーになっています。
 
収録アルバムは「ユメヲカケル!」です。
 

Section2 ~曲を聴くということ~


「いきなりなんやねん、ユメヲカケル!について話すんじゃないんかい!」って思われたでしょうがちょっとまってください。今から話すことはめーーーーーっちゃ大事なんです!
皆さんは曲を”聞いて”いますか?それとも”聴いて”いますか?様々な音楽がいろんな形態で聴ける現代において、音楽は常に私たちと共にあり場を盛り上げ人生というものを彩る存在になりつつありますが、裏を返せば消費コンテンツであり聞き流すものになりつつあるということでもあります。耳心地のいいイージー・リスニングを聴き流しながら優雅な時間を過ごす、そんな音楽との関わり方も一つの音楽の形として大いにアリでしょう。ですが、今日!この記事を読むときだけは!ちょっとだけでいいんで!その思考を捨てて”ひとつの曲を聴く”ということを意識してほしいです。
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でもそれって何をどうすればいいの?って思われる方がほとんどなんじゃないでしょうか?僕も完全な答え、向きあいかたというものにはたどり着けていません。ですが僕が思うに曲を”聴く”ことの第一歩は曲という概念ではなく”様々な楽器がそれぞれの音を合わせた結果織りなされるハーモニー”としてひとつの曲を捉えていくという姿勢が今までとは違う音楽体験をもたらしてくれるような気がします。
また、多くの音楽解説記事もその理念に則って書かれています。ですがそのような記事は概して初心者の方には「????」という内容になってしまっているのです。それはなぜかという音楽というものを上記の捉え方で聴いていくことには”どの楽器がどんな音をしているか”ということを知っている必要があるからです。みなさんは、ここのブラスが~~~!!とかここの弦が~~~~~!!とか言われても正直「????」となってしまうのではないでしょうか?ですがこの「ウマおん!」はなるべくそういう事象を無くしたいな~と思いながら書いています。
そこで今回はドコのどんな音について話しているかについての参考となる各楽器の音声ファイルを作っておきました。あーこの音はこうやって呼ばれるんだ!っていうのが逐一わかるようにしていきますので活用してください。ブラスが~~~~って話をするときには必ず”ブラス”がどういう音をして右にいるのか左にいるのかっていうのをちゃんと示します。
また、このユメヲカケル!という曲、楽器の構成としては非常にオーソドックスなものですのでここで示した例というものは他の曲(特にアニソン)においても有用ですのでちょっとだけでいいんで覚えて帰れると自分の音楽との向き合い方に変化が生まれるかもしれません!ということを念頭において記事読んでもらえると嬉しいです。
 
というわけで本題~

Section3 ~変態と王道の饗宴~


まずこの曲の概観、おおまかな部分を書いていきます。
この曲ですが楽器の構成、曲の構成どちらをとっても非常にオーソドックスでいわゆる”ありがちな曲”です。特に曲の構成に関しては「イントロ~イントロ’~Aメロ~Bメロ~間奏~Aメロ~Bメロ~サビ」と進んでって間奏入ってCメロ入れて落ちサビ(静かなサビ)作って大サビに入って終わり!!!!みたいなまぁすげえよく見る構成になっていますがこの曲はそれだけでは語れません。
これヤベえんです

転調が

 
音楽に少し造詣のある方であれば気づいたかもしれませんがこの曲すーぐ空気感が変わります。
普通の曲は最初に決めたスケール(音階のことドレミファソラシドのアレ)があればそうそう変わりません。変わったとしても最後の大サビで1個キーが上がるとかそんなもんです。
それを念頭においてこの曲を聞いてみましょう!
まずファンファーレがありますね。そこから”キミと夢をかけるよ 何回だって勝ち進め勝利のその先へ!”というなんとも素晴らしい歌詞があります。ここもなんかすごいコードが変化するんですけどなんか僕もよくわからないんで飛ばします。解説放棄です。音楽なんもわからん。そこから次のイントロ’へ~

転調しました

もう一度言います

転調しました

 
えっ??もう転調ですか?まぁこっから普通に展開していくんやろうなぁって思ってたら

イントロ’の繰り返しでまた転調しました

もうすでに二回転調しました。なんなん.....逆にここまで来ると僕的にはAメロでもう一回転調して落ち着くんやろうなぁって発想になります。
どうやらAメロでもう一回転調して落ち着いてくれたようです。ヨカッタ。
計3回の転調を経てやっとAメロにたどり着きました。”Sun-shine 前を向けば~~♪”
スケールは「B♭major」という王道な感じに落ち着きました。(王道なんだなって理解だけで大丈夫です。)
Bメロまでは比較的平和ですね、気持ち一列~から始まるとこです。Aメロから半音下がったdimを根っこにして進行していきます。(dimもわからなくて大丈夫。なんか少し不安定な感じになります。そこから安定した部分に行くので聞いてて気持ちいいっていう構造になっています。)
そしてついにサビ前2小節で全楽器が同じ動きをしてサビに持っていきます。

なんか段々音階が上がってってね?

 
キミと夢をかけ~るよ~♪
はい。転調しました。あーあ。
ここはイントロと同じなのでまぁそうなるとは思いましたがこれ変態ですね....(褒め言葉)
このような転調は曲の最後の方にもいっぱい出てきます。変態ですね(称賛)
これこそがこのユメヲカケルの凡曲ではないスペシャルなソングたらしめる所以だと僕は考えます!変態と王道の饗宴!!!
 
💡
Tips: サビ前の最後の1音は上げなくてもキミと夢をかけるよ~♪につなげることができるんですがこの1音を上げたことによって劇的な効果が生まれました。この一手本当に最強だなぁと個人的に思ってます。
 

Section4 ~王道を支える楽器たち~


この曲ですが楽器の構成は比較的王道です。それではこの曲でボーカル以外にどんな音が鳴っているか見ていきましょう!
 

1, ベース

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ベースは楽器の中でも低い音を担当しており、曲の安定感を出すために重要な縁の下の力持ちです。注意して聴かないと目立たないですがフレーズの切れ目などで動きを加える事によって場面や雰囲気を切り替えることもできるナイスガイです。
こんなおと!
 

2, ドラム

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ドラムはベースと一緒に曲の一番下を支え、リズムによって曲を彩ります。
低音域から(バスドラム)高音域(シンバル)まで幅広い音域を持ちます。
こんなおと!
 

3, ギター

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ギターですね。中音域から高音域を広くカバーしていてコードを奏でることによって曲に方向性を加えてくれます。このユメヲカケルでは主に二種類の音が使われていて
こういう感じのアコースティックなギターサウンドと
 
こういう歪んだ感じのディストーションサウンドなギターサウンド
が使われていて曲の抑揚に合わせて切り替わったり一緒に鳴ったりしています。

4, ピアノ

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ピアノです。音の数が少ないAメロとかでコードや音階を鳴らすことによって落ち着いた雰囲気、無難な雰囲気になるのと音がスカスカにならないようにする効果があると思います。
 

5, サクソフォン

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上の3つは割と知られている楽器かなぁと思いますが、こやつあたりから知名度が怪しくなってきます。この楽器はバッキングと呼ばれるいわゆる”合いの手”を担当する楽器になっています。また、間奏のときのソロ楽器としても優秀ですがこの曲ではその使い方はされていないですね。サックスとかサキソフォンとかいろんな呼び方あります。金属製ですが金管楽器ではなく木管楽器です。
こんなおと!
 

6,トランペット

なんでいらすとや、トランペットだけちょっと雑なの....
なんでいらすとや、トランペットだけちょっと雑なの....
いわゆるラッパですね。この曲ではバッキング(合いの手)と一番最初のファンファーレに使われています。
うーん好き。
💡
これに加えてトランペットより音の低いトロンボーンが使われてる説があるんですが上手く聴き分けられなかったです。(たぶん使われてない)
こんなおと!
 
💡
Tips: サクソフォンやトランペットは総称して”ブラス”と呼ぶことがあります。
 

7, ストリングス

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一般的にポップス曲ではヴァイオリンとかヴィオラとかチェロとかコントラバスを総称して”ストリングス”と呼ぶことが多いです。でも大体ストリングスっていう文脈で言われるときはヴァイオリンのことを指していることが多い気がします。(多分この曲にいるのもヴァイオリンからヴィオラくらいまで)豪華なサウンドでコード(和音)を奏でることによって曲全体にいい感じの響きを与えてくれます。あと盛り上がるところで音階引いて盛り上げてくれたりします。
こんなおと!
 
以上が主にこの曲で使われている楽器たちです!
 
あ、忘れてた
Cメロでグロッケンが登場します。
こんなおと!
きれいですね。
他にもFX(サウンドエフェクト)が登場しますが説明しだすとキリがないので割愛。風っぽいエフェクトとピコピコ音のエフェクトが聴き取れる範囲では存在しています。
見る限りだとかなりオーソドックスな編成ですねサックスやトランペットをここからマイナスすれば「けいおん!」になりますしこれに少しオーケストラの金管楽器サウンドを足すと「プリコネ」のOPや「GIRLS' LEGEND U」になります。ということでここらへんの音覚えとけば大抵のゲームBGMやアニソンに関して、この音がいい!!ってのを言語化することができます。やったね。
 
これらを踏まえて今度は曲の最初からいい感じのところをたどりながら解説していきます。
 

Section5 ~で、味はどうなのか~


ここからは秒数刻みで個人的に気に入っている点や解説ポイントについてつらつらと書いていこうと思います!
リファレンストラック(参考にしている音源)はアルバム「TVアニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 2』ANIMATION DERBY Season 2 vol.1 ユメヲカケル!」収録のFullバージョンです。以下に書く秒数はこのトラック準拠です。表記法は0:00が0分00秒です。
もう一度Spotifyリンク置いときます。
それでは
う~Fight!
 

0:00~

まず最初に来るのは競馬のファンファーレを思わせるオープニングですね。余談ですけどこれ実際にトランペットの楽譜に起こすとめんどくさい音符ばっかです(めんどくさい)。そこから「キミと夢をかけるよ~」とサビが最初に流れ始めます。イントロサビ(いきなりサビ)もよく使われる技法ですね。とある科学の超電磁砲1期のOPの「only my railgun」とかもこの形ですね。

0:14~

ここからは一応「イントロ'」(イントロダッシュ)としておきます。ここで注目したいのは左にいるトランペットと右にいるサクソフォンの掛け合いですこの掛け合いによって最初の「Aメロ」に向かう準備を整えていきます。

0:24~

いわゆる「Aメロ」と呼ばれる部分です。この曲でピアノが活躍するのはおそらくここだけですね。存分に聴いてあげましょう。後ろで動いているベースがいい感じに橋渡しをしていて聴いていて気持ちがいいですね。ドラムは一番低いバスドラムのみです。

0:33~

目指せテッペン!という歌詞と共にドラムがフィルインを入れて少し盛り上がった「Aメロ」になります。ここでギターとサクソフォン、トランペットのブラス隊が入ります。良いですね、盛り上がってきました。チャカチャカ鳴るギターが心地よいです。

0:43~

ここからがいわゆる「Bメロ」です。少し落ち着きましたね。ここで注目してほしいのは少し音量小さめですが裏でメロディを弾いてるストリングスですね。これは左側あたりに聴こえます。

0:55~

サビですね。トランペットのバッキングがなかなかいい感じです。キミと夢をかけるよのメロディの伸びが素晴らしいですね....”か”と”け”の跳躍が気持ちいい。

1:12~

サビ繰り返しです。トランペットが最初と違いロングトーンで音階を下がっていく音が盛り上げていていいですね。かなりベースの合いの手がここらへんは盛んでいい感じです。

1:26~

ここで一回間奏に入ります。「イントロ'」とだいたい同じです。最後のサクソフォンの音階が「イントロ'」とは違うポイントですね。

1:37~

「Aメロ」に戻ってきました。最初の「Aメロ」と違う点は、ピアノがピロリンだけになって大幅ナーフされたのとディストーションギターの主張が強くなりました。こういう工夫がマンネリ化防止のために2番の至るところに混ぜ込まれています。間違い探しも楽しいかもしれません。

1:56~

「Bメロ」ですね、最初と違うのは転調までもう1クッション置くとこですね。これどうやってるんだろうか、ちゃんとコード解析をしてみたいところ。いっしょに~のとこですね。

2:10~

サビです。あんまり変わりません。次!!!

2:38~

バチクソかっこいいギターソロが入ります。こういう爽快感あふれるギターソロを僕も書いてみたいものですね。

2:58~

半音ずつ下降しながら「Cメロ」に入ります。この下降大好きですね。このCメロは途中から「イントロ'」のアレンジverになります。

3:23~

こういう「Cメロ」の後に入る静かなサビを落ちサビっていう気がします。この曲では唯一低音のストリングス(チェロとか)が目立つ部分です。おいしい
グロッケンもいいですね。今気づいたんですけどハープシコードみたいなの入ってますね。ギターのアルペジオかもしれないですけど。

3:44~

ラスサビです。一瞬すべての楽器が止まります。これをブレークといいます。これによって劇的なシーンチェンジ効果が得られますね。僕も曲書くときによく使います。静と動のメリハリってやつですね。
注意して聴くとわかると思いますがこのラストサビも1番サビも2番サビも雰囲気は似てますがすべてぜーんぜんっ違います!バッキングとかベースの動きとか!さっきも言いましたが、こういうところを探しながら楽しむっていう音楽の楽しみ方もあると思いますよ!

4:25~

アウトロですね。この曲のイントロのフレーズは非常に優秀でアウトロとしてもいい感じにまとめることができますね。最後の一小節の16分音符パパッパパッって終わるやり方、なんか2000年代のころによく見たような見なかったような....
 
というわけで一通り回ってきました。
曲を聴くときに僕はこんなかんじのことをぼーっと思い浮かべながら聴いてます。
 

Section6 ~まとめ~


長い記事でしたがお疲れさまでした。
「ユメヲカケル!」を通して曲を聴くときのマインド、知識。
それからユメヲカケル!自体のいいとこまで語らせてもらいました。
もしこれどうなの?とかあればTwitterアカウント @URA_karinto のDMなりメンションなりで聞いてください。そうです。ウマ専用アカウント作りました。
あとマシュマロもはじめましたのでウマ娘の曲についてわからないことを聞くだったり、曲へのどうしようもない愛を書き連ねるなりしてください。僕が全部受け止めます。
 
あと私ごとですが初プラチナをとりました。
無ラチナ卒業です。
 
「ウマ娘 プリティーダービー」より引用
「ウマ娘 プリティーダービー」より引用
 
 
マヤノすき
 
 

以上ッ!!!!!